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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第16章 星降る夜の私達







そう言えば彼とコインランドリーに来たのは初めての事では無い

寒い寒い冬の日に洗濯機が故障して二人で洗濯物を持って行った

その時の彼は少し汚れた作業着姿で今日と同じ様に丸いパイプ椅子に座っていた

酷く似合っていないのに、この世界に馴染んで見えた彼の姿に私は胸を痛めて



………あの日と今は確かに通じているけれど新しい景色を映し出す



「イルミさん」


「んー。」


「銭湯見つかりました?」


「数軒候補は見付けたよ。」



私の呼び掛けに顔を上げた彼が真っ直ぐに此方を見詰めて言葉を交わす



「やっぱりイルミさんは有能ですね~!ありがとうございます!」


「………沙夜子に任せると潰れた銭湯に連れて行かれるからね。」


「それは……たまたまですよ……」



彼の隣にいられる今が本当に幸せでたまらない





_________"





20:32




私達は○智村の天空の楽園へやって来た

冬場はゲレンデ、春から秋にかけては天体観測が出来る観光スポットである


夕飯も入浴も済ませて準備万端の私達はこれから満天の星空の世界へ旅立つのだ!


平日という事でだだ混み、とまでは行かないがそれでも多くの人で賑わう視線内

宇宙をモチーフにしているのか薄暗く、ワクワクと胸弾む光の演出はエントランスから既に始まっていた



「見てください、係の人宇宙服ですよ!」


「偽物じゃん。」



…………………私だって別に本物だとは思っていないけど


もうちょっとノってくれても良くない…………???


テンションが高い私とクールな彼はいつの時だって温度差が凄い


何でもゴンドラに乗ってゲレンデ迄行くそうなのだが、このゴンドラを宇宙船に見立てているらしく

さながらテーマパークのアトラクションの様な雰囲気は自然と期待値を上げてドキドキさせるものだった






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