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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第16章 星降る夜の私達






「どうする、風呂済ませてから行く?」


「確か21時でしたよね」


「うん。」


「時間的に先入っちゃった方がいいかもですね」


「了解。」



しかし、今日は1日ゆっくり……と言う訳では無い

今夜は星空を見に行くのだ!



長野県は美しく有名な山々に囲まれた、その約80%が森林という自然豊かな所だ

軽井沢なんて有名避暑地がある様に基本的に標高が高いらしく、昼を過ぎた頃から私は薄手のパーカーを羽織っている

北アルプスが生む絶景から町中には歴史的に貴重な寺院仏閣まで、人生で一度は見たい!なんて所がごまんとある魅力溢れる県


そんな中で私達が最初に目指しているのは○智村

日本一の星空が見れるとの事で、ここに行こうと提案したのは彼だった

長野は星空が綺麗な県で上位3位を独占している程……謂わばUターン星空の強豪で

その中でも日本一に輝いているのだからそれはそれは美しいのだろう


要予約な為に出発前に予約を済ませていたのだが、天候ばかりは選べない

しかし今日の快晴を見る限り心配はいらないだろう


ふたつ返事で快諾した私も今からとてもワクワクしている



どうやら道中に銭湯があるのかスマホで確認中らしき彼の横顔にクスリと笑みが漏れた


彼は私の世界から星の図鑑を持って行ってしまう程星が好きなのだ

無表情のその下で楽しみにしているのかな……なんて想像するだけで胸がキュンとする



「楽しみですね!」


忙しなく長い指を動かしながらスマホを見詰める彼は確かに小さく頷いた



私達以外には誰もいないコインランドリーにはガタガタと賑やかな音が響く


私はそんな時の中彼の姿をじっくりと眺める至極タイムへ突入していた


睫毛が時折伏せられて影を落とし、印象的な漆黒の瞳が瞼に隠れる一瞬が酷く無防備な気がして

只まばたきをしただけなのに、そんな些細な仕草すら不思議に思う


生きている、という当たり前の事実すら幻なのでは……と感じさせる美貌と特有の雰囲気を持った彼


そんな彼が何の変哲も無い古びたコインランドリーで一体何をしているのだろう……なんて事まで考えてしまった




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