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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第16章 星降る夜の私達







次に訪れたのは飛騨○山、この日は生憎の雨だったけれど楽しかった


その中でも一番印象的だったのは○山陣屋である

入場料大人430円にして日本に残っている現在で言う裁判所、郡代役所は唯一ここだけとの事で即入場を決めたのだが

代官の住居があったり、農民の俳句があったり、江戸当時の生活や仕事内容が再現されていて、日本の歴史を更に深く知る事の出来るとても良い施設だった

敷地も広くて色々と見学ができる見所満載スポットに違いなく私は勿論、彼も知的好奇心を擽られたのか静かに見学していたのだが……


ある一角にあった展示物がいけなかった………

別に展示物を批判しているのではなく………その一角は彼の暗殺者スイッチのど真ん中を押してしまったのだ


今で言う裁判所なのだから当然罪人が居た訳で、罪を吐かせる為に使われた拷問道具が展示されていて

ギザギザした木に正座させて重たい石を乗せる恐ろしい物からむち打ちする棒みたいな物………

彼はこれ等に瞳を輝かせる程興味津々だった

そして普段は無口なのに生き生きとありとあらゆる拷問について語り、そのあまりの生々しさに私は少し体調を悪くした


「昔の日本にも拷問文化があったなんてね。」


散々語った後酷く感心した様に呟いた彼だが、私達の周囲は明らかに人が避けていて空気は張り詰めていた



……………まぁ、それも笑い話のひとつ……………という事で!


まだまだ見足りない場所が沢山あるし、もっと色々観光したかったけれど後ろ髪引かれながらも新たな地へとやって来た訳だが






今私達がいるのは観光のかの字も無い場所


コインランドリーである


ガタガタと軋む乾燥機には私達の貯まった洗濯物が回り
狭い空間には独特の匂いが広がっている

古びた壁にはレトロな貼り紙が貼られていて、丸いパイプ椅子の布は破けていた


乾燥機を回し始めて10分程経っただろうか

テーブルの上に乱雑に置かれていた読み古された雑誌をペラペラと捲っていた彼は興味無さそうに其れを放ると

頬杖を付きながらその美しきお姿をガン見していた私にスッと視線を向けた



時刻は15時を過ぎた頃





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