第20章 幻影旅団
その場に足音が二つ近付いていた。
ひょいと顔を覗かせるのはマチとシャルナークだった。シャルナークはヒソカを見つけ、呆れた声を出した。
「あ、いた!ようやく来たかと思ったら何してるの」
「やあ、久しいね」
マチの視線は相変わらず、ヒソカを鋭く睨んでいた。
「ヒソカ、アンタ まさかリネルに何かしたんじゃないだろうね」
「マチは……相変わらずだね♡もしかしてヤキモチ妬いてる?」
「殺されたいの?」
「照れなくてイイよ」
「殺す」
そろそろ頭を切り替える時だ。
リネルは小さく息をつく。隣に近寄るシャルナークが、リネルに問い掛けた。
「なんかあった?」
「ううん、特に何も。たまたまヒソカに会ってちょっと話してただけ……てゆうかなんでヒソカ呼んだの?」
「こういうのって大人数の方がいいかと思って。なんかまずかった?」
「いや べつに。……よーし!!!」
ヒソカと2人でいると逸れた道へ思考を持っていかれそうになる。刹那、引き込まれる魅力を感じてしまった自分をごまかすよう リネルは大きく伸びをした。
「呑み直そっか。シャル」
「うん。いいけど……やっぱなんかあった? え?!まさかヒソカとリネルってなんかちょっと意味深な感じだったり?!」
「全然ないない。平気だから 行こ行こ!」
小競り合うヒソカとマチにも声をかけ、四人は店の中へ戻って行った。