第81章 コミュニケーション/日常
本日は珍しくゆったりした時間を過ごした。少しは夫婦のコミュニケーションにもなっただろう。気付けばゴリゴリクッキーもラストひとつになっていた。
「最後のひとつ イルミにあげる」
「いいよ。食べなよ」
「あぁー!」
隙をつきクッキーを攫っていったのは まさかの1番小さな手。しかし 2本の歯で食べられる難易度の代物ではなく、クッキーは形を変えてリオンの口から出てくることになった。
「うわあ~ リオン~っ!」
「今のはリネルが油断してたから悪い」
「ゴリゴリがべしょべしょになって出て来た~」
「気に入らないものすぐ吐き出すよね」
「でもさ 今の赤ちゃんにしては結構いいスピードだったよね。なんかこう、ハンターぽかった」
「そう?リネルはいちいち大袈裟すぎるんじゃない?」
「イルミだってさっき結構力あるって褒めてた」
「それは成長に伴っての意味だったんだけど」
その後もしばらくリネルの中で流行していたクッキーが 暗に「ゴリゴリ」と命名されたのは言うまでもない。
fin