第19章 お祝い
「これかなりイイやつなんですよ。あ、イイってもちろん両方の意味でイイって事ですよ?」
「な、何言ってるんですか!!」
「まぁまぁ 夫婦円満の神器ですから。仲良く使って下さいね」
「…っ…セクハラですよ!」
不覚にもパリストンに感動した自分にもどかしさを感じてしまう。パリストンはリネルの様子を物ともせずに 人差し指をピンと立てていた。
「そして最後に、3つ目のプレゼントです」
「えっ まだあるんですか?!」
「ええ。きっとリネルさんが1番喜んで下さるもの」
「何か、また変なものじゃ……」
「いえいえ。明日から3日間のお祝い兼慰労休暇を差し上げます!」
「…え…」
リネルはくるりと瞳を回す。まさかそんなお祝いまで用意してくれていようとは。
やはり裏があるのではとパリストンの顔を伺えば、そのまま返されるようにほんのり首を傾げてくれる。感謝の念が蘇り、リネルは小声で礼を述べた。
「どうもありがとうございます……最後のが一番嬉しいかも……」
「僕のオススメは断然2番目ですけどね」
「それはもういいですって!」
急に休みと言われた所で特別予定はないにしろ、連休だなんてかなりの久しぶりだ。リネルは心を躍らせた。
◆
昼食後に仕事に戻る。
仕事用のパソコンに一件のメールが届いていた。
“結婚おめでと\(//∇//)\
たまには呑み行こうじゃないの!
ご馳走するわさ〜 ”
メールの主は先輩ハンターであるビスケだった。
パリストンに続き やはり祝ってもらえるのは素直に嬉しいものである。
明日からは連休をもらった事もあり、気晴らしに呑めるならば願ったりとリネルは了承の旨をすぐにビスケに返信した。
本日は業務の後、サシ飲みをすることに決定した。