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〈H×H 長編〉暗殺一家の嫁

第81章 コミュニケーション/日常


「……イルミがゴリゴリ言うから急にゴリゴリする感じがする」

「やっぱり?」

「ゴリゴリする」

「だよね」

不思議なもので、急に味の質が落ちた気がする。


「イルミ…ゴリゴリする…」

「うん」

「何やってんの、私達」

「ゴリゴリ?」

コミュニケーションの方向性は合っているのかいないのか。下で音を聞いているリオンも 当然こちらが気になって仕方ない様子だ。

「ああ!あー!」

「結構強いね リオンの手の力」

「思う?私もこの前引っ掻かれて血が出た。いいね、将来有望」

息子の頭を横から撫でる。ふふ、と笑みが込み上げ リネルは顔を上げた。

「ね リオンて何系かな?」

「念の系統?」

「そう。念の系統にも遺伝てあるのかな」

「普通に考えてあるだろうね」

「そっかあ」

リネルはリオンを抱き上げ自身の膝に座らせる、じっと顔を見合わせた。
はっきり父親似でありそれはそれでもちろん可愛いが 中身くらいはどこか、せめて念の系統は、自分に似て欲しい思いもある。

「顔も髪もイルミに似てて可愛いし。中身や身体的な所はまだわからないけど中身は置いておいて、男の子だし身体要素もイルミ似だといいね!」

「間接的に、オレは概ねは評価されているってコトでいい?」

「いいよ~。仕事柄ありとあらゆる業界の能力者見るからさ、私イルミの事はめちゃくちゃ一流の中の一流だと思ってる」

「へえ 初耳。」

「でも念系統は私似で強化系だといいなぁ。前にハンター協会が出した念系統についての本の推敲やらされた事あるんだけど、やっぱ強化系が一番バランスいいし生存率も他系統より15%も高いらしいし」

「強化系がトータルバランス最強説はオレも同意。暗殺業やる上で強化系がベストかは正直判断しかねるケド……リオンがその実験台になってくれると判断材料になるし系統戦法のコマを増やす意味でもオレもリオンは強化系に一票」

「お!今日は割と意見合うね 私達」

「明日ヒョウが降るかもね」


和気あいあい、愛らしい息子の体温に触れながら夫婦仲良く会話をしていれば 今までの切り詰められたハンターとしての自分を忘れてしまいそうになるほどだ。

リネルはリオンの後頭部を撫でてから、再びイルミの膝の上にリオンを座らせる。

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