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〈H×H 長編〉暗殺一家の嫁

第81章 コミュニケーション/日常


イルミは両手をリオンの両脇に通す。自分と顔を見合わせる位置に固定しじっとリオンを見る。

「まあ 持って生まれた素質ももちろんあるけど。成長の過程の訓練や耐性で身に付くものも多いから。頑張ってね」

「う?」

笑顔のないよく似た親子の横顔は リネルの目には随分と愛くるしい。写真に収めておきたい勢いだった。





「あ、念の系統で思い出した!私前々から余裕あったらやってみたい事があってさ。念系統や全体オーラ量をある程度平均化して測れるものを商品化したいなと思ってて」

「念系統判別器兼 オーラ量測定器ってこと?」

「そう。水見式って古典的でしょ?例えば強化と変化の間だと 水見式じゃ割合までははっきり見えないし。オーラ量なんかも数値化出来たらよりわかりやすいし無駄な戦闘や殺しの抑制策にもなると思うの。どう思う?」

「いいんじゃないの?データで明確にわかるなら」

「やっぱり?!でも一つ壁があって…。開発や実験だけでもものすごく資金いるんだよね。概算も立ててないから全然読めないんだけど」

「ふうん」

「ね 先行投資だと思ってイルミのポケットからお金貸してよ。無担保無利子返納期間未設定で」

「今日の頼み事はそれだったの?」

「ううん 今のは会話の流れでタイミングよく思い出しただけ。………でも貸して?」

「いいや。水見式でも間に合ってるし」

「ケチ。……リオンが念を覚える頃くらいまでには作れたらいいのになぁ」


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