第79章 似非イクメン/日常
ヒソカにとっては狙った訳でもなんでもないタイミングだった。イルミと言えば金次第で請け負ってくれる仕事の幅は広いし、今となってはよく知る仲なので人付き合いなる面倒くささや煩わしさもない。
故に今回も軽い気持ちでの依頼であった。
「ねぇ ちょっとお願いしたいコトがあるんだけど」
「応じる事が出来るかは依頼内容によるよ」
電話をかけてみればほぼ予想通りの返答が返ってきた。社交辞令を言い合う仲でもないので 話はすぐに本題へと入る。
「実はさ 今キミん家の割と近くにいるんだ」
「あ、そうなの?てゆーかオレもこれから出掛けなきゃならなくて。何なら今から外で話そうか」
会話の中でふとでた一言を予想外に拾われ、久方ぶりに対面する事になる。
「わざわざそこまでしなくてもイイよ 依頼の詳細はメールでだって連絡可能だし」
「通信だとハッキングの可能性ゼロじゃないし。オレ ヒソカの依頼受けてるの逐一家族に報告してないからある意味外の方が都合良かったりもする」
そんなこんなのやり取りのあと電話を切ると すぐにイルミからメールが入る。中にはURLが一つだけ、中身を確認してみれば 指定された場所は駅からはやや離れた所にある普通の飲食店のようだった。