第69章 休日デート/ほのぼの
「イルミ…」
「なに?」
「今日一日付き合ってくれてありがとう。…楽しかった」
「そう。良かったね」
「次のお休みはイルミのしたい事しようね」
「したい事、ね」
イルミは少し考える。
しかし具体的には思い浮かばないのが本当の所。
「………」
「だらしない顔」
気付けばあっという間に隣で小さな寝息を立てているリネルに目を落とす。
普段の仕事に取り組む真面目な顔とは打って変わって、その無防備なまでの寝顔は本当にどこか子供のようにも見える。
窓の外を見る、すでに日が落ちかけているし着いたらさほど時間を待たずに家族揃っての晩餐が始まるだろう。
イルミは運転席の使用人に告げた。
「晩餐に間に合えばいいから少しだけ遠回りして」
「かしこまりました」
その車はククルーマウンテンまで一直線の道のりの左折した。
fin