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〈H×H 長編〉暗殺一家の嫁

第64章 翌日


一瞬だけ部屋が静まりリネルに視線が集まった。
その静けさをジンが簡単に破った。


「ならこのうるさい小姑黙らせろよ」

「ちょっとジン、それどういう意味?!」

「来てやったのに茶も出ねーのか、リネルコーヒー出せ、濃いやつな」

「聞く必要ないわよリネルちゃん、ジンの言う事なんか」

「ちょっとちょっとお二人ともうちの子困らせないで下さいよ~。リネルさんの言う事もごもっとも、本題を始めましょうか!」

「お前はやはり仕切りたがりだな」

「ならミザイさん仕切って下さいよ!」

「断る」

「パリストン、今日はあんたには仕切らせないわよ!あんたに仕切られるとみんなあんたの都合よく進んでいくんだから」

「ならチードルさん仕切ってくれます?」

「それ却下。どうせ感情的になってちゃんと仕切れねーだろ」

「ジン うるさいわよ!パリストンよりはまだジンの方がマシね、仕切りなさいよ」

「やだね、なんで急に呼ばれてわけわからん会議仕切らなきゃなんねーんだよ」


リネルは困り顔を深める。大きく溜息をついた後、ますます声を張り 目元を寄せた。


「と り あ え ず!!
発言は手を挙げて下さい。今日の議題に関係ない発言は控えて下さい。次期ハンター試験時間までのスケジュールも詰まってます。本日時間内に議題内容終わらなければ夜に臨時招集させていただきますよ?!」


しんと静まった部屋の中、リネルの隣に座るパリストンがクスリと笑みをもらし 小声で言った。


「リネルさんてやっぱり優秀ですよね、あの人達って僕の言う事全然聞いてくれないし」

「こんなの優秀とは言いませんよ…」


毎度の事ではあるのだが まとまりがない会議をそれなりに仕切り 時間管理や議事録の作成もしつつ 形にするのは一苦労なのである。

少しの時間も惜しい中 遅刻せずにこの場に居合わせられた事に キルアとツボネに心底感謝をする思いであった。

ビスケが隣から呆れた声を出した。


「アンタも苦労してんのねー」

「そう思うならちょっとは手伝ってよ…」

「んー、そうだわね…うるさいしとりあえず全員一発ぶん殴ってやるわさ?」

「やっぱやめて、余計に進まない…」

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