第7章 訪問
屋敷への道を進みながらリネルは回りを見渡した。庭と言うには広すぎる どうみても広大な森としか言いようのない光景がどこまでも広がっている。
リネルは悟る口調で言った。
「依頼料が高すぎるワケがわかった。……土地の維持費、管理費、人件費、税金、その他諸々…そういう事?」
「ピンポーン。それに利益も乗せるからああいう価格設定になる」
「……なるほど」
「でも適正価格だと思うけどね。仕事は何よりも納期品質を心掛けてるし」
「それは知ってるんだけど……」
知れば知るほど桁違いなゾルディック家にリネルの不安はますます大きくなる。気を紛らわせるべく、イルミに聞いた。
「ねぇ。今日はこれから何するの?」
「オレもわからない。ただ親はリネルを試したいんだと思う」
「試すっ…て?!」
「ただのハンターしか情報のないリネルを知るには直接見て試すしかないし。だから……まあ頑張ってね」
「……そんな、他人ごとな……」
「今はまだ他人。正式に身内になるための洗礼ってとこ?」
何故、望んでもいなかったリスクある橋を渡っているのか 自分はこんな事になっているのか。しかし今さら後にも引けない、そんな気がしていた。
◆
屋敷につくと使用人に案内され、ある部屋へ通されることとなる。
「お待たせ」
イルミはけろりとした声と共に部屋の中に向かう。そこにいたのは2人の男女だ。
物凄い重圧感を放つ彼等は 雰囲気から見てイルミの両親だろう。リネルは緊張感を悟られないよう、笑顔で挨拶をした。
「初めまして。リネルと申します」
「まぁよく来て下さったわぁ。私 イルミの母のキキョウです。よろしくねリネルちゃん」
「父親のシルバだ。よろしく」
「よろしくお願いします。……」