第63章 翻弄
「あぁっ……あぁぁ……っ……」
部屋には 一層高くリネルの声が響いた。胎内に訪れる強い快感に下半身が固く緊張感を得る。熱く揺れる視界の中に真正面から、イルミの顔を捉えた。イルミの掌がゆったりと頬を撫でてくる。
「泣きそうな顔してる」
「……だって……気持ち、い……っ」
「そう」
「……っ、」
奥にあてられるように突き立てられたまま、掴まれた腰を徐々に揺り動かされる。擦れる刺激ときつい圧迫感を受けると、連動して敏感が部分にゆるゆるした感触が伝わる。
リネルはその快楽から逃れるよう、腰を引こうとする。
「待っ…ダメ…そっと、して…っ」
「どうして?」
「だって……また……イっちゃ……そっ…」
掴んだ腰に力を添えると、リネルは身体を仰け反らせ身体が絶頂感をあらわにする。
脚がピクリと痙攣してしまう、先の深い快感の予感に鳥肌が立つ。
いつの間にか自らねだるよう腰が動き出し、リネルはイルミの耳元で懇願するよう掠れる声を出した。
「っ…イルミは?…まだ?…早くっ」
「さすがにまだ。あんまり余裕はないけど」
「…も、…だめ……っ…っ」
「イク時の顔見せてよ。」
イルミはすがるように抱きつくリネルの輪郭を片手で捉え 赤く火照る顔を覗き込んだ。リネルの泳ぎ乱れる目線を拾うように リネルをほんのり鋭く見つめた。
「リネル オレを見て」
「ぁ……イっちゃ……っ…!」
ぼやけた視界に イルミを見つめ リネルは二度目の絶頂を迎えた。