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〈H×H 長編〉暗殺一家の嫁

第63章 翻弄


反転した視界にリネルは一瞬だけ、濡れた瞳を丸くする。イルミはそれを拾わぬまま、片方の胸の突起を唇に含んだ。そして、湿り滴る秘部に指を二本 入れ込んだ。ゆっくりと、しかし肉壁を押し進むように、その圧迫感に強い快感を得る。


「…ぁ…あ…ああっ」

「気持ちいいの?」

「…きもちい……あ、…っ」

「……じゃあもっとしてあげる」


胸元に寄せた唇を下へずらす。腹部から臍へ腰、脚の付け根まで這うようにしながら移動させる。そしてリネルの脚を大きく開くと 花弁の上に位置する敏感な部分を舌先でゆるゆると舐めてゆく。


「んん…っ…」


刺激から逃げるよう、リネルの背がピクリと仰け反った。それを片手で軽く押さえ、舌を押し当て動かしてゆく。秘部からはますます蜜が溢れ 手元を生温く濡らしてくる。

静寂な部屋の中は、濡れた喘ぎと秘部が鳴く独特の水音がする。


「あ…ぁっ……ダメ…っ」


固く主張する突起を吸われ 舌先で柔らかく転がされていると どんどん腰が浮いてしまう。リネルは無意識にシーツをきつく握る。執拗なリズムは素早さを増す。迫る予感に身体が緊張を深め、じんわり汗が滲む感覚が手に取るように伝わった。


「やっ……、…あぁぁ………イっ……っっ」


声らしい声もなきままだったが、絶頂を迎える様は明らかだった。びくんびくんと収縮を繰り返す秘部の中は、熱く、十分過ぎるくらいに準備が整っている。

イルミはそこから顔を上げると、埋まった指先をゆっくりと引き抜いた。




「早いね。もうイったの?」

「っ…、…きもち、良すぎて……っ」

「まだこれからだよ?」

「わかっ、…てる………」


本当にわかっているのか、否。
ここからようやくこちらの欲望を深くその身に埋め、強く求め、求めさせたいと言うのに、リネルはすでに何度も絶頂を味わった後のようにくたりとしたまま荒い呼吸を繰り返すばかりだった。



「イル……ミ……」


消えそうな声で名を呼ばれる。力ないリネルの両腕がそっとイルミの首筋に回った。イルミはそれに従った。

目尻を下げ瞳を瞑り 熱い身体で甘えるように抱きついてくる姿がどうにもいじらしい。先日はあれ程自身を警戒し 身体を固く緊張させていた風からは想像も出来ないと ふと頭の片隅に思い出してしまう。




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