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〈H×H 長編〉暗殺一家の嫁

第63章 翻弄


乱れた自身の欲求を間接的に伝えるべく 太ももに触れている固く反応するモノを片手でしっとりと包み込む。リネルはそれを緩く摩りながら口先では余裕ぶる台詞を言う。


「…ね 大っきくなってるよ」

「勃たなきゃ挿れられないし」

「…もう、挿れたい…?」

「早くない?まだ平気」


手先を優しく使ってみても、相変わらずイルミは涼しげな表情を崩さないままだ。

ついにはイルミの手も伸びて来る。リネルの腹部から秘部の方へ進む手が 下着の上からふんわり割れ目をなぞってくる。染み出る湿りが自分でもよくわかるくらいだった。


「……っ……あっ」

「濡れ過ぎじゃないの?触って欲しかったならそう言えばいいのに」


イルミは手のひらを滑らせ 腰骨の横に結ばれるショーツの紐を解いてしまう。直にソコに触れる指先は溢れる蜜をすくうようにそっと擦られるだけ、それでも十分なくらいにリネルの視界が滲んだ。モノを摩っていたリネルの手の動きは、いつの間にか止まってしまっている。


「は……ぁ……あっ」

「余裕なさそうだね。今日は」

「イルミが、……焦らす、から…ぁ」

「普段とそんな変わらないと思うけど。何でそんなに興奮してるの?」

「…………っ、」


これは意地悪な質問だ。イルミはあえて答えがわかっていて聞いていると感じた。

イルミは改めて、リネルをじっと観察する。

今この瞬間は、濡れた瞳に自分だけを映し、切なげな表情をする。それを見ていると満足感に駆られ、更に煽ってやりたくなる。 リネルの頭を引き寄せ耳元で囁いてみる。


「オレがリネルの事を好きって言ったから?」

「……っ、…わかんない、…そう、かも」

「もっと言う?」

「……いい、いいから……、言葉より、触って欲しい……」


余裕のないリネルにとっては至って本心であった。

リネルは手先に包んだモノを再び握ると それを摩りだす。ゆるゆる撫でられるばかりの秘部に より深い刺激が欲しくなり必死に手先を動かした。


「……もっ…、…挿れたい。挿れていい?」

「ダメ」


イルミは微かに瞳を細くした。
気分はあるが 今日はリネルに主導権を与える気にもなれない。再び自身の身の下にリネルの身体を押し倒した。




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