第54章 追憶
「…ゾルディック家か。外注するっていうのは考えたこともなかったな」
リネルは一連の出来事を思い出していた。
今後も稀には舞い込むであろう暗殺の仕事を下請けに出せるとしたら、時間的にも精神的にもかなりの余裕が生まれる。
何より仕事はプロセスよりも結果が全て、効率的に結果が得られるならばそれに越したことはない。
しかも依頼先は信頼に足るプロ。
イルミの 淡々とした馴れ馴れしさのない様子も、仕事で付き合うには最適と言える。
リネルは前回の失敗の後にジンに言われた言葉をふと思い出していた。
きっとこれも人脈の一環、出逢いに感謝すべきで今後も大切にすべきものなのだろう。
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