第53章 食事会
クラピカは再びリネルに話し掛けた。
「ハンターとしての生き方に誇りを持っているように見えたし リネルが結婚を前提に真剣交際をしていたというのが私には意外だった」
「真剣な交際なんてしてないよ全く」
「なら見合いか紹介か、何かか?」
「お仕事上では 一応は付き合ってたケド」
「なるほど。出逢いはあのハンター試験 というわけか」
「その前から既に知り合いではあったんだけど」
「ならキルアの兄として変装しながら試験を受けに来ている事も知っていたのか?」
「それは全く知らなかった。キルアの事は登録情報のファミリーネームですぐわかったけど、イルミの事はみんなと一緒で最終試験までわからなかった。なんかヒソカは知ってたっぽいから私はある意味ヒソカ以下、その程度の関係レベルだよ。」
「そうか。なら一体いつ出逢ったのだ?」
「出逢い?ええと、…………」
横からレオリオがきまづそうに口を挟んだ。
「クラピカお前な……潔く何でも聞き過ぎだろ」
「すまない。詮索するつもりはないが」
「ん、別にいいよ」
「ま、オレも気になるったらそうだけどよ。どーやったらリネルちゃんみたいなコと仕事で出逢えるわけ?」
「……レオリオのような不純な動機ではなく、私は純粋な好奇心なのだが……」
2人の視線を受け、リネルは小さな声を出した。
「別に隠す気はないけど……2人からしたら不快な話かもよ?……ハンター協会って明るい事ばっかりじゃなくて汚れ仕事もあるし」
「それくらいは理解の範疇だ。私も仕事をしながらそういう世界を知った」
「え、まじ??オレはまだよく知らねぇけど」
「レオリオも社会勉強と思って聞いておいたらどうだ」
リネルは当時を懐かしく思い出しながら、言える事だけを掻い摘んで話出しだした。
「………そもそも最初に会うきっかけになったのは……、」