第53章 食事会
待ち合わせ場所に向かうとそこにはレオリオと、その隣にクラピカの姿があった。
黒ずくめなスーツ姿と久々に会うこともあり、クラピカは幾分か大人っぽさが増したように見えた。
「やっぱりクラピカだ!久しぶりだね」
「そうだな。ハンター試験以来……か」
「お前らそんなに会ってなかったのか」
「うん。クラピカはどうしてここに?」
「ちょっと仕事でな」
「こんな所でお仕事とはねー!“クラピカは捕まらない”って噂だけど納得した」
「しかし半信半疑だったが……。まさか本当にリネルと仕事で会っているとは驚いた、それなりに働いていたんだなレオリオ」
「どーいう意味だよそりゃ」
「そのままの意味だが?」
この二人のやりとりも懐かしくリネルは笑顔を見せる。レオリオが声を張って告げた。
「よし!久々の再会に早速乾杯と行くか!」
「全員仕事の合間だろう。業務外時間帯とはいえ飲酒は褒められたものではないと思うが」
「相変わらず固ぇなお前は」
「じゃあ今日はご飯でも食べに行こうか。レオリオはそこで呑んだら?」
「おっ、話せるね」
「クラピカもご飯ならいい?」
「ああ、構わない」
「じゃあ早速~……」
リネルは携帯電話を取り出すと、近場のレストランを検索した。
ここは都会とは言い難い地域であったが、そのせいか珍しい物を扱う飲食店が多かった。条件の良さそうな店舗を探し、携帯画面を2人に見せた。
「ここどう?郷土料理が食べられるみたい」
「仕事早ぇなリネルちゃんは」
「サクサクやらないと普段からも回らないしね」
「スシか。……ハンター試験を思い出すな」
「メンチさんの課題だったよね、私食べた事ないんだけど美味しいの?」
「オレらも自分で食ったわけじゃねぇしな」
「食べてみればわかる事だな」
「んじゃ本場の味を食いに行くか!」
全員一致でスシを扱う店へ行く事に決定した。