第51章 話合い
薄暗い部屋の中で探り合うように視線がぶつかる中、イルミは緊張に固まるリネルに言った。
「そんなに警戒しなくていいよ」
「……え」
「今朝みたいに手は出さないって約束する。」
「…うん」
「その代わり、リネルは正直にオレの質問に答えて」
「………はい」
イルミは淡々と言葉を投げた。
「リネル今朝言ったよね 理解して欲しいって。だからリネルの言い分をまずは聞こうと思う。言ってみてよ」
「……えっと……」
「言わないの?」
「…………」
「言いたいこと あるんじゃないの?」
リネルは簡単に緩めることも出来ない警戒心から、イルミをじっと見返し 小さな声を出した。
「………そんな、尋問みたいに……聞かないで」
「質問してるだけ。他にどう言えばいいの?」
「……わかんない、けど……」
「何をどう理解して欲しいのか言ってくれないと、さすがにわからないんだけど」
「……ごめん……」
うまく言葉の出ないリネルを前にして、イルミは微かな溜息をついた。
「会話する気、あるの?」
「……ある。…………けど、」
「けど?」
「……何から話したらいいか」
リネルは曖昧な態度のままだ。