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〈H×H 長編〉暗殺一家の嫁

第49章 失敗


「リネル!どうしたの?大丈夫?!」

「うん…………」



しばらくは感情任せに歩いていたリネルだが、後ろから心配そうに声をかけてくるゴンをようやく振り返った。


「ごめんね、大丈夫。何でもない……」

「ほんとに?」

「うん……」


ゴンは少し首を傾げ、リネルの背中に目を向けた。


「キルア、重くない?」

「あ、うん。 見た目よりは重いけど平気!私割と力持ちだよ」

「そうなの?全然見えないね」

「これでも強化系だしね。」

「オレと一緒か」

「うん。」


ニコリと笑うゴンの顔を見て、リネルの顔にもようやく笑顔が戻ってくる。

リネルは静かな声でゴンに言った。



「ゴン今日はごめんね。ワガママに付き合わせて」

「ううん、色々新鮮で楽しかったよ!お酒呑んだのはミトさんにバレたら怒られちゃうかもしれないけど」

「そっか、そうだよね。そのミトさんて人に睨まれちゃうかな。……内緒にしといてね?」

「もちろん!今度リネルもくじら島に遊びにおいでよ。ミトさん紹介するから」

「うん。ありがとう」

「じゃあまたね、キルアによろしく。帰り気をつけて!」

「うん。ゴンもね」


背を向けて去って行くゴンをしばらくそのまま見送っていると、ふとゴンが振り返った。





「リネル~~~!」

「なぁにーーー?」

「ちゃんとイルミと仲直りするんだよ~~~!!」

「…………うん!!」





返事を返した後、再び背を向けるゴンに リネルは先程のことを思い出し 懺悔のように叫んだ。







「ゴン!!!」

「なに~?」

「私は、ゴンもキルアも大事な友達と思っているから!!」

「うん!オレもリネルは大事な友達だよ~~!」

「……ありがとう」

「バイバ~~~イ!!」




小声で例を述べる、リネルの瞳には少しの涙が滲んでいた。

自分勝手に友人を巻き込み危険な目にまで合わせてしまったこと。リネルは反省と後悔の念を胸に、キルアを背負ったまま帰路についた。
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