第49章 失敗
「うーん……」
大きく伸びをしながらゴンがゆっくり身体を起こした。
「あれ、オレ寝てた?」
「ゴン、起きたの?!……ごめんね、お酒なんか飲ませちゃって」
キルアを庇う姿勢のまま、リネルがゴンに声をかけた。
「うーん、ちょっと頭痛いけど大丈夫だよ」
「そっか。よかった」
「あれ、キルアも寝ちゃったの?」
「……………帰ろう。ゴン」
リネルは気を失ったままのキルアをその場で素早く背中に背負った。そして静かに立ち上がった。
リネルの思い詰めるような雰囲気を察し、ゴンは不思議な顔つきで問いかけた。
「リネル?何かあったの?」
「……別に。大丈夫だから」
「本当に?」
「……うん。」
ヒソカが横から軽い口調で言葉を挟んだ。
「少~しだけイジメたら、拗ねちゃっただけ」
「えっ、そうなの?リネル」
首を傾げ問いかけてくるゴンを無視したまま、リネルは目を細くしてヒソカにきっぱりと言った。
「ヒソカのことは2度と信じない。もう私の前に顔出さないで」
「立場考えろよ それはボクが決めることだ」
「…………」
「またね リネル♡」
「リネルー!?待ってよー!」
リネルは早足でヒソカの部屋を後にした。