第47章 恋話
キルアはリネルを横目に見てから、少し投げやりな口調で言った。
「つーかさ、結婚とか先の事わかんねーけど。……もし仮に好きなヤツいたとしても、相手にされなきゃ意味ねーじゃん」
「キルアは意外と消極的だな」
「だってそうだろ普通。それは、仕方ねーじゃん」
「関係ないさ。欲しい時は我慢はよくないな」
「誰もがテメーみてーにヤバい考えしてるわけじゃねーんだよ」
「………、相手にされなきゃ…か…」
ぽつりと独り言のように呟いた後、リネルは口元をきゅっと噛み締め脳裏にクロロの顔を思い浮かべていた。
「…キルアの今のセリフ…ちょっと心に染みた…」
「あ?!」
「そうだよね。相手にされてなかったら、ずっと一方通行でしかないもんね」
「リネル意味わかんね。………相手にされてねーどころか今朝のイルミのあれは干渉しすぎの域だろ」
「え?………あ、うん、……あの人はまぁ……そうだよね」
ヒソカは面白がるように、喉の奥から低い笑い声を出した。
「ククッ……柄にもない事で悩んでて…ほんとに忙しいね リネルは」
「うるさいな。ヒソカは」
ヒソカはリネルの顔を覗き込んだ、満足そうな表情を見せ ゆっくり口にした。
「ボクね、悩んでるリネルの顔結構好きなんだ」
「あっそう。面白がってるだけのくせに」
「いいねぇとっても魅力的……♡」
「おいヒソカ!変な気起こしたら すぐゴン叩き起こすからな!」
「……、……」
ヒソカは意味深な笑いを漏らした後、リネルの顔をサッと離し グラスに残るワインを傾けた。