第47章 恋話
「………あれ、」
何本かボトルが空になった頃、リネルはソファで猫のように丸くなっているゴンを見つめた。
「いつの間にかゴン寝ちゃったね…」
「ゴンらしいなー、コップ半分くらいしか呑んでねーと思うけど」
「比べてキルアは全く酔わないから面白くないねー」
「酔うかよ、酒になんか」
顔をそらし 普段と変わらない顔つきのまま ジュースでも飲むかのように グラスを飲み進めるキルアの隣で、リネルは久しぶりにゆっくり堪能するアルコールに 少し頬を赤くしていた。
「ねぇ…キルア」
「なんだよ。酔ってんの?」
「酔ってないよ。……キルアはさ、どんな人と結婚したい?」
「はぁっ?!」
ふいに見つめてくるリネルに、キルアは驚きの声を出した。
「何の話だよ急に」
「キルアは立場的に自由恋愛難しいのかなって思って…」
「知らねーよ…つーか、先の事だろっ」
「好きな人…いないの?」
「…いねーよ別に」
リネルから 思い切り視線をそらすキルアを見て、ヒソカがニヤリと笑みを見せた。
「面白いねぇ。イルミに聞いたけど、キミん家 意見割れたら各々が思うがままに動いていいんだろ?」
「だから何だよ」
「…クク、この場ではっきり言わせるつもり?」
「お前は…、さっきから何なんだよ!」
ヒソカを睨み付けるキルアをよそに、考えるような顔をしながら リネルがキルアに問いかけた。
「インナーミッション?だったっけそれ。それ恋愛にも適用されるの?」
「うちのルールを恋愛にって…その発想がすげーよお前ら…」
「ならキルアに結婚したい子出来てそれが家族に反対されるようなら私はキルアの味方になってあげるよ」
「いつの話だよ…」
「だって キルアだってさ…、結婚相手くらい自分の意思で選びたいでしょ」
「リネルは自分の意思で選んだもんね」
「えっ…。ん、まぁ」
意味深な笑みを向けてくるヒソカに、リネルは困ったような顔を見せた。
「そのはずだったんだけど…お互い邪魔せず今まで通りって話の元に……なんでこじれちゃったんだろ」
「そんなの簡単だろ。一緒にいるうちに欲が出て来たから♡」
「……さらっと確信つくこと言わないでよ」
リネルは深く溜息をついた。