第46章 家出
「へぇ、結構ウマいじゃん」
「すっごくおいしいよ!!」
「まぁ普通かな。」
リネルは三人各々の評価を聞き、内心ホッと胸を撫で下ろしていた。
「よかったー……料理なんかしたの久々だし…自分で言い出したはいいけど実はちょっと緊張してた」
「ま、うちにいたらやる必要ねーもんな」
「そうなの?こんなにおいしいのに勿体無いなぁ、たまにはしたらいいのに」
ヒソカはからかうような口調でリネルに言った。
「リネル、ボクは別に褒めたわけじゃないんだけど」
「わかってるけど。……え、そんなにおいしくない?」
「だから普通。良くも悪くも」
「普通って何それ。どっち?おいしいか、おいしくないか」
「家庭的な味」
「ヒソカに家庭的って言葉が似合わなすぎるんだけど」
「オレも同感」
「失礼だな」
リネルは少し気まずそうな顔をして、目線を下に向けた。
「……。別においしくないならそれでいいけど。」
「ウソウソ♡家庭的な味で普通においしいよ」
「ほんと?…言い方が微妙だけど」
「正直な感想だけど?」
「普段は嘘つくくせに」
「クク、むくれるなよ」
ムッとした顔をするリネルと 面白そうに笑うヒソカを見ながら、ゴンはキルアにこそっと話しかけた。
「リネルとヒソカって、仲良かったんだね」
「まぁ、知らねーけど。家出先に選ぶくらいだしそこそこはじゃねーの?」
「なんかさ……リネルとヒソカの方が新婚さんみたいだね」
「はぁ?ゴンまで何言い出すんだよ!」
「キルア、思わない?」
「……別に思わねーって!」
キルアは大きな溜息をついてから、手元の料理を口に運んだ。