第46章 家出
近くのスーパーで適当に食材を買い込んだ後、マンションのキッチンにてゴンと早速夕食の支度を開始した。
「カレーとハンバーグとサラダ作るんだよね!オレ玉ねぎ切るよ」
「ありがとう、ゴン。私は先にサラダ作っちゃおうかな。玉ねぎ目に染みてきたら代わるから言ってね」
「うん」
並んで調理をする2人を見ていたキルアに、ヒソカが声を掛けた。
「こうして見るとゴンとリネルってお似合いだね♡どっちも単純可愛い青い果実で…」
「ちょっと待て、なんでそうなんだよ!」
「いいのかいキルア、ゴンに取られちゃうかもよ?リネル」
「はぁっ?…なんか勘違いしてね?」
大きな瞳で上目遣いに睨んでくるキルアを見て、ヒソカは面白がるように笑うと 小声で言った。
「キミはゴンに比べると、戦闘力はあっても生活力はなさそうだもんねぇ」
「何が言いてぇんだよ」
「イマドキは男も料理のひとつでも出来ないとモテないよ?」
「うるせーな!!」
キルアはふんと鼻をならし テレビをつけた。
キッチンで並んで会話をしていた折、ゴンが心配そうな表情を浮かべてリネルに言った。
「ねぇ、リネル」
「なにー?」
「本当にいいの?ここにいて」
「え?」
「一応男の家なわけだしさ。こんな所に泊まってイルミが知ったらリネルを心配して余計に怒らない?」
リネルは先程ゴンと代わった 玉ねぎのみじん切りから、不安そうに見つめてくるゴンに視線を変えた。
「ん~ なんかゴンに言われると悪い事してる気分になっちゃうな」
「じゃあご飯食べたら帰る?」
「帰らないよ。泊まるといっても別に一晩くらい寝なくても大丈夫だし、私は寝ないで起きてるから大丈夫だよ」
手元の玉ねぎに目線を戻して淡々と言うリネルに ゴンは 真面目な顔で告げた。