第45章 客
二時間ほど集中して作業をしていた際、携帯電話がバイブレーションを出す。
「誰だろ……?」
それを手に取ると一通のメールが届いていた。さっそくそのメールを見る、リネルはくるんと目を丸めて すぐ様両手で返信をした。そして急ぎパリストンの元まで向かい早口で言った。
「すみません!ちょっとだけ出てきていいですか?お客様が来たので!」
「ええ、構いませんが……さっきの今日中にはあげてくださいね」
「はい、わかってます」
すぐにその場を去ろうとするリネルに、パリストンは首を傾げて問いかけた。
「リネルさんにお客様って、どなたです?」
「ゴン=フリークス、ご存知かとは思いますが」
「ああ、ジンさんの。……なんでまた彼が?」
さらに首を傾けるパリストンに、リネルは笑顔で答えた。
「たまたま近くにいるらしくて。287期のハンター試験で面識があって。せっかくなので挨拶してきます」
「なるほど。よろしくお伝え下さい」
ふわりと話すパリストンの声を背中に聞きながら、リネルは急いでハンター協会を出た。
◆
ゴンと待ち合わせを決めた時計台がある広場までやってきた。白昼の最中、人が多く賑わっていた。
「リネル~!久しぶり~!!」
「ゴン!」
リネルの姿を確認するとすぐに笑顔で大きく手を振ってくるゴンに、リネルも自然と笑顔を返した。ゴンは頭をかきながら眉を落とし申し訳なさそうな声を出した。
「仕事中にいきなりゴメンね」
「全然!久しぶりにゴンに会えて嬉しいし。メールありがとう」
「今日キルアからこの近くに来るって連絡あってさ。なかなか会えないしついでにリネルにも会えたらって思って」
「そっか。てゆーかキルア呼んだの私だ……」
「あ、なんだ。そうだったの?」
「うん。せっかくだしお茶でもしようよ、時間もらってるから」
「うん!」