第25章 新婚旅行2日目
「誓いの貝殻……確かどっかで……」
「わあー すごい予習してあるね。」
「まあな。エスコートはスマートにするモンだろ…………あ、あった!ここに行けば手に入るみてぇだな、商品じゃなくて記念品みたいなモンだ」
「そうなんだ。レオリオすごいね!ありがとう!」
こんな所でとんだ大ヒントの収穫とは思わなかった。リネルはレオリオに笑顔で礼を述べた。レオリオは深妙な顔つきで頭を掻いている。
「……はぁ まさかリネルちゃんが、もう嫁に行っちまうとはな」
「それについては私だって驚いてるけどね」
「にしても幸せど真ん中じゃねーかよ、羨ましいぜ……お裾分けに今度合コンでも開いてくれよな?」
「新婚の私に言う台詞じゃない気もするけど……」
レオリオは丁寧にも、その場所までの行き方も調べてくれた。
レオリオに礼を述べ別れた後、イルミの所へ駆け寄った。
「さっきのアイツ、ハンター試験の時のヤツだよね」
「うん、そう。今の協会ではものすごく重要株で期待の超新星とか言われてるけど」
「そこまでの力は感じなかったけど」
「なんて言うか政治的意味も大きくて。でも誓いの貝殻わかったよ、レオリオのおかげで。行ってみよう」
レオリオが一目置かれるのは、やはり「こういう所」なのだろう。2人は次なる目的地に向けて 出発をした。
レオリオが教えてくれた誓いの貝殻なるものが手に入るという場所にやってきた。
そこはブルーのエリカに似た花が咲く断崖絶壁と言える高い崖だった。エメラルドの海が覗き 備えられている展望台の上には白く可愛らしいチャペルがある。
奥の方では純白のドレスとベールを風になびかせ、結婚式をあげている様子の男女の姿が見えた。
潮風にさらさら揺れる髪を片手で抑えながら、リネルはぽつんと言う。
「あれってリゾート婚てやつ……?」
「親父の狙いが読めてきた」
リネルが感じていた予感は、イルミとも共有出来ていたみたいだ。
近場のスタッフに駆け寄り話を聞けば、ここで簡易的な結婚式を行うと記念品として贈られる品 それが“誓いの貝殻”なんだと言う。
イルミが静かに横を通り過ぎた。いつの間にか指の間には例の武器を二本携えているではないか、リネルは咄嗟にイルミの後を追う。