第25章 新婚旅行2日目
「キ、キルアの……っ」
「どうも。その節は」
「……なんか めちゃくちゃヤベーもん見た気がするぜ……」
「あ、別にやましい事は何もないから!その、私達はちゃんと け、結婚しましたので」
「はあぁ??!結婚?!?!リネルちゃんが?!……オイオイ……相手もビックリだぞ」
「ちょっと色々と、事情もあって……」
「あのキナ臭ぇ協会に顔を出す時 リネルちゃんに会えるのが唯一の癒しだったのに…………っ!」
驚きまくるレオリオに ことの経緯を話し写真を一枚頼んだ。
例の岩を背景に棒立ちする2人をフレームに収めながら、レオリオは眉間を詰めていた。
「固ぇ」
「え?」
「それで新婚て無理あんだろ」
「別にいいよ。私達元々こんな感じだし」
しらりとかわすリネルに向かい、レオリオは人差し指を立て指示を投げてきた。
「バックハグにしようぜ」
「はぁ?!」
「後ろからぎゅっと抱き着かれて照れた笑顔での上目遣い、背中には柔らかい感触が……ってのはオトコの憧れなモンだ」
「……ちょっと待って それ私がやるの?!」
「そんなリネルちゃんを写真におさめたいしがないオトコ心を理解してくれや」
「な、なにそれ」
「いいよそれで。リネル、早くして」
「イルミまで……」
大体こんなことは少しも柄じゃないと言うのに。結局、リネル1人が困惑の中で 後ろからイルミに抱き着く羽目になってしまう。
「し、失礼します……」
「どうぞ。」
イルミのしっかりした腰元に控えめに両腕を回してみる。背中からちょこんとだけ顔を出す。気恥ずかしい中イルミの顔を見上げるも 照れてくれる様子も無く、1人やるせなさが残った。
レオリオ曰くの自信作を指定されたメールアドレス宛に送付した。
その後しばしの立ち話の折、リネルは本日の難関となりそうな誓いの貝殻についてをレオリオに尋ねてみた。
するとレオリオはこちらが所持する3倍の厚みがあろうかという付箋付きのガイドを取り出し、それをパラパラとめくり出した。