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イチバンノタカラモノ。

第2章 カコノキズ。


ロキはそれを聞いて若干ムッとしたが、それよりも気になる事があるらしい。最後の白米を口に含みながら聞くと、ロキがポケットに入れていたものを取り出し、彼女に見せた。
「これはなんだ?」
「ぶふぅっ!」
昼間の牛乳同様、勢いよく噴射する米。それは見事にロキの顔に散った。
「わ、悪い!ほら、布巾!」
布巾で顔を拭いてやる。ロキは黙ったまま拭かれている。そして、話題を戻した。ロキが手に持っているのは、楓の下着だった。
「お前なんでポケットに入れてんの!?っていうかよくポケットにブラジャーまで入ったね!?っていうかそれポケットに入れたまま買い物してたの!?ねぇ、馬鹿でしょ!?」
一気にまくし立てる楓を、ロキは瞠目しながら見ている。怒鳴り終わった楓は、ロキの手から下着を奪い取り、傍らに置いた。
「で、なんなのだ、それは」
「知らなくていい!後、今後これらには触れるな」
「ふむ……」
どうしても気になる様子のロキ。楓は食器をシンクで洗い始めた。
「随分、薄い布だな……」
「だから触んなっつってんだろ!」
ブラジャーを広げて見ているロキに、楓は一発蹴りを入れた。

翌日、本当に学校を休みたいという気持ちでいっぱいの楓は、とぼとぼと学校に向かっている。朝の登校ラッシュを避け、早めの登校だ。大勢の生徒の中でロキの話をされたらたまったものではない。
それにしても、なんと説明すればよいのだろうか。楓の頭はそれでいっぱいだ。
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