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イチバンノタカラモノ。

第2章 カコノキズ。


楓は高校生だ。便利屋よりも本業のこちらでは、割と平和な生活を送っていた。友人も多くいる。成績も容姿もよい彼女だが、その器量のよさを鼻にかけないところが、級友などに好かれる理由だった。そして、話し方は少々変わっているものの、気さくな性格で、話しかけやすいオーラを放っている。
「ねぇ、楓彼氏できたっしょ?」
それは友人である真理からの質問だった。昼食の時間、いつものグループで食べている時だ。楓はその質問に思わず飲んでいた牛乳を吹き出してしまった。
「き、汚いな」
「お前が突拍子のない事言うからだろ!?」
「えー。だってなんかちょっと感じが変わったというか微妙に男の人の匂いがするというか、私の洞察力が何か違和感を訴えているのだよ」
決して彼氏などではないが、真理の洞察力はなかなかのものかもしれない、と楓が微かに思ったとき、隣の由佳が、口を挟んだ。
「っていうか、この間真理と歩いてる時に、楓が男の人と歩いてるとこ見たのよ」
「何が洞察力が違和感をだよ……あいつは、ただの知り合い。彼氏でもなんでもないぞ」
「へぇ?」
ニヤニヤと腹の立つ笑みを浮かべ、真理、そしてグループの皆は見、楓は少し赤面しながらも、食事を再開した。
授業も無事に終わり、今日は依頼が入っていない為、楓は久々に友人と放課後遅くまで教室に残っていた。しかし、そろそろ帰らないと、スーパーのタイムセールが終わってしまう。友人と揃って校門まで向かった。
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