暖かい氷を私にください。《ユーリ!!! on ICE》
第4章 ヴィクトルside
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氷を削る音がリンクに響く。
もうすぐ行われる、グランプリファイナルに向けて練習に励む。
ただ、最近モチベーションが上がらない。
観客のリアクションをみてふと気がついた。
僕には観客を驚かせる演技が出来ていないことに。
だからどうすれば驚かせられるか、
どうすれば楽しませられるかが分からなくなってきた。
酷い時にはジャンプの飛び方が分からなくなる時もあった。
そんな事を考えてる時、リンク脇に置いていた携帯から音が鳴る
見てみるとそこには僕を驚かせるのなんて簡単な物があった。
『Wow. That's great!!!』
そこにはグランプリファイナル女王となっていた彼女がいた。
そして僕はある事を思いついた。
何故だか、それは僕の肩の荷が軽くなるのとともに、
忘れかけていた興奮と言う感情を湧き起こしていた。
『待っていてね。僕のお姫様。』
動画の中の彼女にそう語りかけ、僕はリンクの中心に戻った。
『おい!ヴィクトル!俺さっきから横にいたのになんで反応しねぇんだよ!!!』
そして何故だからユーリが怒っていた。
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