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暖かい氷を私にください。《ユーリ!!! on ICE》

第12章 再開


あまりの寒さに目が覚める。


重たいまぶたを開いて窓を見てみるとまだ長谷津の空は黒かった。


時計を確認すると朝の5時30分だった。


(久しぶりにランニングでもするか...)


と、だるい体をベットからはがす。


防寒対策をして皆が起きないようにゆっくり玄関を開閉する。


まだ外は暗いが夜ほどの暗さでもない。


漁師の人なら普通に起きて海に出ている時間だ。


自分の吐く息が白い。


九州なら暑いとイメージを持たれがちだが、ここは日本海沖だから冬は寒いし夏は普通に暑い。


(ひとまず長谷津城まで走るか...。)


そう思い念入りにストレッチをして長谷津の街を走る。


イヤホンを付けて走る人もいるけれど私は外の音を聞きながら走る派だ。

長谷津城までの道を走り終えて階段を全力で登るとそこには意外な人がいた。


『勇利?』


そこにはボーと街を眺めながらトレーニングをする勇利の姿があった


『え?!どうしてここにいるの?』


『寒くて目が覚めちゃって(笑)そう言う勇利も早いじゃん』


『うん...。』

何故か不安げな顔をする勇利

『どうしたの?』


つい聞いてしまう


『不安なんだ。』


『え?』


『もし僕がユリオに負けて、ヴィクトルがロシアに帰ることになったら僕どうなっちゃうんだろうって。』



『...』


『大人の色気なんて僕とは正反対だし...。』


『そう...かな?』


『え?』


『勇利には勇利にしか出せないエロスがあると思うし、アンタには清潔な色気があると思うけど?』


『せ、清潔な色気?』


『どこかのスイスの元テンパ野郎よりね』


『それクリスだよね?笑』



『そうそう笑』



そういった後、勇利はしばらく考えたあと、とても吹っ切れたかのような顔をした。



『僕なりにやってみる!ありがとう!!』


『いいえ~!』


『ところで』


『何?』


『なんでヴィクトルが髪を伸ばしてた時のやつを見てみたいの?』


『へ?』


『があんなこと言ったあとヴィクトルうるさかったんだよ(笑)』


答えに困る...。


『なんとなく思ったんだよね。あのスケート会の王様がジュニア時代の活きいきした姿を』


『どういうこと?』
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