暖かい氷を私にください。《ユーリ!!! on ICE》
第12章 再開
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『ゆ、ユーリ!痛い!』
しばらく歩いていくとユーリの掴む力があまりにも強くなっていた。
『あ、ごめん。』
そう言いながらもユーリは手を離してくれない。
もうすぐアイスキャッスルはせつに着く頃、ユーリが急にフードを被せてきた。
『お前は目立ちすぎるから。』
そう言って綺麗な瞳がこちらを見る。
『ユーリ...』
(これで少しはドキッとしたか...!)
『期待のロシアンヤンキーも十分目立つと思うけど(´^p^`)』
『『・・・・・』』
そんな茶番をやりながら目的の場所に着くとそれそれは凄かった。
まずメディアがユーリの事に気がついて騒ぎ出す。
次にユーリが横を通った勇利に飛び蹴りをする。
それを私の事に気がついていないメディアやファンの皆と私は唖然と見ているのだった。
(このまま二人の間に入ったって面倒だし先にヴィクトルの所に行っておくか。)
そう思って私は中でリンクシューズに履き替えてヴィクトルのいるスケートリンクへ向かった。
全ての元凶である本人はリンクでプログラムを滑っていた。
後から入ってきたユーリによると来シーズン用のプログラムらしい。それと観客を驚かせることを1番大切にしていること。そしてもう観客が自分を見て驚いていないことを知っている事。と最近のヴィクトルについて教えてくれた。
そんな事を考えていた時ユーリが思いっきり息を吸った。
『ピンピンしてるじゃねぇか!ヴィクトル!』
『ユーリ!来てたのかぁ~!よくヤコフが許したなぁ~。何か用か?』
するとユーリがすんごい顔、あ、すごい顔じゃないよ?すんごい顔でヴィクトルを睨んでいたから私は少し笑ってしまった。
『その顔はあれかぁ~僕が何か約束を忘れてるって顔かなぁ~?』
そんな2人のやり取りを私と勇利はただ見る事しか出来なかった。