暖かい氷を私にください。《ユーリ!!! on ICE》
第12章 再開
ユリオside
『別に教えて欲しいなんて一言も言ってねぇよ!』
『はいはいそうですかー!じゃあまた悔しそうな顔して転けてればいいわ!』
といいながらあいつはリンクへ戻って言った。
それからあいつの事が気になってしばらくの間ベンチに座って観察していた。
(口の割にはなんてことねぇって言いたかったのになんだよ!あの高さ...。オマケに4回転跳んでるし軸はぶれねぇし...。)
これを完璧と言うのだろう。
あいつを超えなきゃヴィクトルも超えれねぇ。
(クソ...。ジャンプ教えてもらえばよかった...。)
そんな俺の視線に気がついたのかあいつがこっちを見てニヤニヤしてくる。
しまいにはあの頃はまだあいつも跳べていなかった4回転ルッツまで練習始めやがった。
(プライド捨てるしかねぇのかよ...。)
そしてあいつが休憩するためリンクから出てくるのを見て俺は話しかけた
『お、おい!』
『ん?どうしたのロシアンヤンキー』
『俺の名前はロシアンヤンキーじゃねぇ!ユーリ・プリセツキーだ!』
『ユーリ...ね』
俺の名前を聞いた瞬間、聞いた事のある様な顔をした。
『で、何か用?ユーリくん』
『ユーリでいい!あ、あと...』
『後?まさかジャンプ教えてもらう気になった?』
『ち、違ぇーよ!お前がそんなに俺に教えたいのかって思ってわざわざ来てやったんだよ!』
やっちまったァァ。
『へー。私がそんな風に思ってると...。まぁいいわ。教えてあげる。』
『え?』
『えってなによ。トリプルアクセル跳びたいんでしょ?教えてあげるって言ってるの!早く準備して!』
『...うん!』
それから俺はあいつにトリプルアクセルを教えて貰い見事取得した。
とはそれから連絡先を交換したりと進行を深め、世界大会で度々顔を合わせて話したりしてた。
でも、2年前のグランプリファイナルからあいつは大会からいや、スケート会から消えた。
『待ってろよ!くそババァ!』
俺は胸踊らせながら、日本行きの飛行機に乗った。