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暖かい氷を私にください。《ユーリ!!! on ICE》

第3章 寒い 〜It's chilly〜











ピピピッ_____








ピピピッ…






ピピピピピピピピ!!!!!




アラームの音が部屋中に鳴り響く。






アラームを止めて重たい体をゆっくり起こす。





『おはよう。ヴィっちゃん…』





私の布団に寄り添うトイプードルに話しかける。




ヴィっちゃんは勇利がヴィクトルさんの真似をして飼いだしたトイプードルで今は私に懐いている。


こうやって夜な夜な私の部屋に侵入しては横で眠っている。



『可愛いな~ヴィっちゃんは…よしもう少し寝ちゃおう。』




二度寝をしようとする。するとドアが勢いよく開いた。




『!まだ起きないの?!もう11時よ!』



勇利のお姉ちゃん、真利お姉ちゃんが起こしに来た。



『だって最近、寒くって布団が暖かいと眠くて眠くて…』




『そんなの言ってたらいつまでも出れないでしょー!グランプリファイナルも近いのに…』




『・・・お姉ちゃんっ』




私は真顔で呼びかける





『グランプリファイナルには出ないって言ってるでしょ…。私はもうあんな思いをしたくないんだよ。』






グランプリファイナルでぼろ負けをしたとかそんなんだからじゃない。





あの事がなければ今頃、私の首には金色に輝く金メダルがあったのかな…




想像する。





『いつまで引きづっていても仕方ないのよ…。それにきっとおばさんはそんなの望んでなんか…』





『もういいの。まだ滑りはしてるんだから問題ないでしょ。。』




私はそう呟き布団からでる。




『顔洗ってくるね!』




無理やり笑顔を作って、私は部屋から出ていく。





『いい加減、立ち直りなさいよ。』





真利お姉ちゃんのその言葉は、私には届かなかった。
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