暖かい氷を私にください。《ユーリ!!! on ICE》
第8章 出逢い ヴィクトルside
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僕は彼女と出逢ったあの日、2日後のグランプリファイナルの開場に下見をしに来ていた。
正直、あの時から既に観客を驚かせられていないと気がついていた僕にとって、グランプリファイナルはただ単な重い足枷にしかなっていなかった。
いざ開場に着くと誰もいないと思っていたのに、曲がかかっていた。
リンクを覗いてみるとがいた。
その時僕はの事を知っていたけれど別に女性のスケーターに興味があるってわけでもなかった。
ただ彼女があまりにも楽しそうにスケートをしていたから見とれてしまっていた。
そして曲が終わると突然彼女がリンクに座って、耳覚えのある鼻歌を歌い出すもんだから、僕は笑っていた。
それともうひとつ、楽しそうに笑っている彼女に胸を鳴らせたりもした。
それから僕は彼女に夢中で開場を絶った後のホテルで彼女について調べたり、これまでの大会の映像をみた。
なんでもっと知ろうとしなかったんだろうと思うくらい彼女は魅力的で悔しかった。
でもそれから4日後、大会が終わり空港で彼女に話しかけようとした時、僕は言葉を詰まらせた。
彼女が酷く泣いた後を残して、歩いていたからだ。
そしては僕には目もくれずその場を通り過ぎていった。
それからだ。彼女がスケートを辞めたとニュースになったのわ。