第7章 弟の進路
「違うの?あの人私のアドレス知ってたんだけど」
(レイジュしかあり得ないと思ったんだけど…。じゃあ誰?)
もやもやする。ローは一体自分の周りの誰とつながってるんだろう。
(でも出張とか急に決まっちゃうんなら、連絡先ぐらい知ってる方がいいのかもしれない…)
とはいえ、気が進まないのは事実だった。
上っ面では取り繕えても、アンは人付き合いがあまり得意ではない。
今までルフィの世話と仕事に忙しくて、新しい人間関係を築く余裕なんてなかったのだ。
弁当を食べ終わったアンは、気を晴らそうと青空を見上げて背伸びした。
所々白い雲が広がっているが、今日はよく晴れている。
西の方からセスナ機が飛んできたと思ったら、雲に隠れてすぐ消えた。
(……あれ、もしかして…。嫌な予感…)
「あいつに泣かされた女の子を山程知ってるから、アンは奴の餌食になって欲しくなかったのに!!気をつけるのよ!」
「う、うん。
そういや、明日はサンドイッチでいい?ナミちゃん食べたがってたし」
「あら、嬉しい!」
別に当てつけとかではないが、パンが嫌いなローには出せないサンドイッチを明日のお弁当にしようと決めた。