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卵焼きは甘い派ですか?【ONE PIECE】

第5章 好きなわけない



定番の待ち合わせ場所となっている、猫の銅像前に来た。通称タマ公前。
休日のためかたくさんの若者で混み合っている。


「来た来たー!キャプテン、こっちこっち!」

笑顔で手を振るシャチ。うざい。

その隣にはベポが立っていた。雌のクマも呼んでいるのだろうか。


「よかったー!来てくれて!女の子は四人揃えたから、キャプテンいなかったら余っちゃうんで…」

「雌のクマの子もいる?」
「クマはいねぇよ!ハードル高すぎるわ!」

ベポの顔が絶望に染まった。可哀想に。

「おれ、帰る!」
「待て待て!サーモンのカルパッチョ頼んでやるから。今日はイタリアンの人気の店だからな!」

どうでもいいけど、和食がよかった。やっぱり帰ろうか。

「あっ!キャプテンどこ行くんですか?帰ったらダメですよ!」
「……用事思い出した」

「ウソつくな!!」


どうやらここまで来て不参加は許されないらしい。
ローは舌打ちをして、近くにあったベンチに座った。指を組んで下を向く。

(……帰りてぇ)





「ねぇ、おねーさん一人?一緒に飲みに行かない?」
喧騒の中、近くでナンパする男の声が聞こえた。

「結構です。連れ待ってるんで」
素っ気ない女の声。どことなく聞き覚えがあって、顔を上げた。


そこにいたのはアンだった。
いつもと雰囲気が違うと感じるのは髪型と服装のせいか。化粧も普段より手が込んでいる。



「そんなこと言わないで、奢るからさ!」
しつこくいい寄る男はさらに一歩アンの方へ近づく。

ローが腰を浮かしかけた、そのとき。
男の肩に誰かが手を置いたのが見えた。


「わぁ!!?」
背後から肩を掴まれて、そのまま地面に尻もちを突いた男は振り返る。
そこには顔にそばかすがある黒髪の男が立っていた。



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