第5章 好きなわけない
突然の訪問者にローは不機嫌だった。
入ってきたのはペンギン。勝手知ったるとばかりにソファに座った。
「やっぱりいいソファ…。相変わらず部屋片付いてますねー。生活感ないっつーか」
「……何の用だ」
「えー、合コンですよ。コラソン先生に聞いたら、キャプテン今日何の予定もないはずだって。一緒に行きましょうよ」
(コラさんめ、余計なことを……)
「断る。合コンは嫌いだ。知ってるだろ?」
「だって、先方にキャプテン来るって言っちゃったし。シャチがタマ公前で待ってるんで。ほらほら早く準備して!」
せっかくのオフなのにもう何もかも面倒くさい。
ローは元々着ていたVネックの黒いカットソーとブチ模様のジーンズの上に黄色いパーカーを羽織る。
「何でそんな色合いでも似合うんですか…。イケメンずるい……」
(知るか…)
もう顔だけ見せてさっさと帰ろう。
その後は一人で定食屋でも行った方がマシだ。