第4章 見返りは弁当を
「あれ?来てたの、レイジュ」
「気づくのが遅いわよ。その分じゃ、スマホも見てないんでしょ」
(あ、メッセージ来てる…)
ごめんねと文字付きのスタンプを送信した。
「こんばんは、サンジくんのお姉さん。彼氏さんイケメンですねー」
「彼氏じゃないわ。ただの同僚」
「ってことはお医者さん?超ハイスペック!!お名前なんておっしゃるんですか?」
「トラファルガー・ローだ」
ナミはローに興味津々のようだ。
(高そうな腕時計…。総合病院の医者って年収いくらかしら…)
「トラファ、トラ…、よしトラ男でいいな」
「それがいい」
ルフィとゾロは頷き合う。
「二人とも目上の人に変なあだ名つけないでよ」
「だって長いと言いにくいだろ。お、美味そう。いただきまーす」
(美味そうに食う奴だな…)
ルフィは目の前に出された大盛りラーメンをすごい勢いですする。
自分にも成長期はあったはずだが、ここまでではなかったと思う。
「すみません。弟は礼儀知らずだから気にしないでください」
「別にいい」
アンはルフィを小突く。
その様子は我が子に手を焼く親のようにも見えるが、歳の離れた仲の良い姉弟なんだろう。