第4章 見返りは弁当を

ビビるチョッパーを見て我にかえる。別に脅しにきたわけじゃない。

あまりに弁当に固執している自分に苦笑した。
ローの口元が綻んだのを見て、チョッパーは恐る恐る「ご用件は…」と聞いた。


「コラさんに渡した弁当だが、誰からもらった？」
「ああ…。医局に持ってきてくれた人ですか？誰だろう、病院で会ったことある人なんだけど…」

(名前ぐらい聞いとけよ……)


記憶力がさほど良くないらしい。チョッパーは頭に手を当てうなっている。

「あ！コンビニの人ですよ！名前知らないんですけど、赤っぽい髪の綺麗な人」







(赤い髪の美人って、さっきの……)
ローはコンビニに急いだ。

(名前は…、アンとかってペンギンが言ってたな…)
狭いコンビニをぐるりと見回すが、その姿はない。
代わりにピンクの髪の青年がレジに立っていた。

「いらっしゃいませ」
何も買わずに出ていくのも気まずいので、ミネラルウォーターをレジへ持っていく。

「…さっきまで、女の店員がいなかったか？」
「副店長ですか？今日はもう帰りましたけど」


コンビニを出て、ローは天を仰いだ。
弁当の作り主を突き止めて、一体どうするつもりだったのだろう。

今までこんなに誰かに固執したことなんてなかったのに。