第3章 エリート医師の恋愛事情
ベポも合流し、シャチとペンギンおすすめの居酒屋に5人で入った。
「とりあえずビールでいいっすか?あと、枝豆と唐揚げと…。キャプテン、何頼みます?」
「そうだな…、卵焼き」
「アイアーイ」
「キャプテン、今度は邪魔しないでくださいよ!可愛い女の子はみんなキャプテンにいっちゃうんだから」
「…何の話だ?」
ほろ酔いのシャチに問い返すと、彼はオーバーリアクションでまくし立てた。
「モテる男はこれだから!アンちゃんがペンギンとおれ、どっち選んでも恨みっこなしだけど、キャプテンは恨みますよ!」
「小児科のサトーさんも、検査室のヤマダさんも、総務のカンさんもみんなキャプテンに告白してフラれてるんですよ。あんな可愛い子達なんでフッちゃうかなぁ?」
「よく覚えてねぇな」
あの大きな病院で関わるのは一部だし、面識のない相手に告白されてもいちいち覚えられない。
「「何だとー!!」」
「まあまあ、二人とも落ち着いて。ローは仕事バカだから、付き合った女の子も幸せになれないから…」
「それもそうっすね…」
「…コラさん、それフォローか?」
かといって仕事バカという言葉に否定もできない。
「だからアンちゃんには絶対手出さないでくださいよ!」
「出さねぇよ……」
ローがそう呟いたところで注文した卵焼きが届いた。
「美味しそうだねー!キャプテン卵焼き好きだっけ?」
「まぁな…」
卵焼きを口に含む。居酒屋の酒に合いそうな濃い味付け。まずくは決してない。
でも自分が求めていたものではなかった。
(やっぱり、レイジュの弁当とは違うな…)