第3章 エリート医師の恋愛事情
「珍しいなぁ、こんな時間にローと帰れるなんて!あ、コンビニ寄っていいか?」
「例の医学書届いたのか?読み終わったら貸してくれ、コラさん」
珍しく定時に仕事が終わり、コラさんと一緒にコンビニに寄った。
レジでは見知った二人が店員の女に言い寄っている。
「アンちゃん、今度ご飯行こうよー。友達も一緒でいいからさ!」
「都合のいい日教えてもらったら、予定合わせるよ」
「シャチにペンギン、お疲れ!」
「コラソン先生!お疲れ様です!あ、キャプテンも!」
店員に言い寄っていたのはシャチとペンギンだった。
レジカウンター越しに困ったように笑っていた店員はコラソンの姿を見つけると、レジ下の棚をがさごそと探り始める。
「はい。コラソン先生、頼まれてた物届いてますよ。」
「ありがとう、アンちゃん」
コラソンも顔見知りらしい、その店員は赤みがかったセミロングが印象的な美人だった。無地のパーカーにジーンズという随分カジュアルな格好だが、背が高くスレンダーな彼女にはよく似合っていた。
「二人とも仕事終わってるなら、一緒に飲みに行かないか?今日は金曜だし」
「賛成!!あ、ベポも呼んでいいっすか?アンちゃん、また今度予定教えてね!」
アンと呼ばれた女は愛想良く笑った。行く気がないなら断わりゃいいのに。
自分にとっては、コンビニの店員となんか接点もないしどっちみち無縁だろうが。