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卵焼きは甘い派ですか?【ONE PIECE】

第12章 波乱の夏休み



今まで数々の女が言い寄ってきたのに。アンは自分に一切興味がないのだろうか。

「お前さ、どんな男がタイプなんだよ?」
「そうねー、私より強くて、優しくて、かっこいい人!」


そんな男が存在すると思っているのだろうか。
にこにこ笑いながら、そう言い切るアンは一体誰を思い浮かべているんだろう。

(笑い上戸…?)


「でも、一番の条件は私と同じぐらいルフィを大事にしてくれる人かなぁ。私、ルフィが一番大事だもの…」

シュンと急に大人しくなったと思ったら、アンは酒を一気に飲み干した。
そりゃそんな考えなら彼氏なんてできないだろうし、彼女自身恋愛に興味がないんだろうとさえ思えた。


ぷはーっと色気もなく酒臭い息を吐くと、アンは投げやりな口調でローに問いかけた。


「私のことはいいのよ!トラファルガーさんはどんな人がタイプですか?あ、でもどんな人でも選び放題ですもんね!」

勝手に質問の答えを出して、彼女はまた水割りを作ろうと手を伸ばすから、酒瓶から遮るようにしてその手を掴んだ。


「飲み過ぎだろ」
諫めるようなローの声色に動揺したのか、アンの瞳が揺れる。

「そんなことないわ……」
見つめ合ったまま、どちらともが視線を外せない。永遠とも思えた数秒。


アンの気を引くにはどうしたらいいか、ずっと考えてきた。
まだ答えは出ないけど、気持ちを伝えることはスタートラインに立つことに繋がるはずだ。



「おれの好きな女は、料理が上手い奴だよ。


……好きだ」

お互いの唇が触れ合う。

衝撃的過ぎて、目を閉じるのさえ忘れてしまった。



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