第2章 彼女の一日と弟の放課後
♦︎22:00 帰宅
家に入ると三人が揃ってテレビを見ていた。
「おかえり、アンちゃん。重箱と食器、洗ってるから」
「ナミちゃん、ありがとう。助かる〜。
って鍋の中、じゃがいもと大根しか残ってないんですけど!ルフィ!どんだけ食べてんの!?」
「ゾロもめっちゃ食ってたし!美味かったー!それより牛スジ肉少なかったぞ、姉ちゃん」
鍋いっぱい作っていたはずのおでんは数個のじゃがいもと大根を残すのみになっていた。成長期とは恐ろしい。
「…仕方ない、うどん入れよ」
「おれも食うぞ!うどん!!」
「その手があるのか。アン姉、おれも」
「食べ過ぎよ!二人とも!!」
今日も賑やかに夜は更けていく。
遅めの夕食が終わると風呂に入って、一日の疲れを癒す。
風呂から出てくるとすでに弟達は部屋で夢の中だ。
明日のお弁当は何にしようか考えながら、炊飯器をセットして眠りにつく。
母の影響もあって料理は好きだ。得意分野は和食。皆が美味しいって喜んでくれるのはすごく幸せ。
ガープやおつるからはもういい歳なんだからと言われるけれど、アンは恋とは随分ご無沙汰だ。仕事と弟達の世話が忙しくて恋なんてしている時間はない。
それに一番大事な弟と仲良くしてくれる人じゃないと恋なんてできない。
彼氏なんていなくても、今の生活で十分満足なんだから。
♦︎23:30 就寝