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卵焼きは甘い派ですか?【ONE PIECE】

第9章 彼女の願い事



今まで静観していたベックマンはシャンクスの鈍さに憤るやら呆れるやら。何のためにセイラと引き合わせたと思っているのだろう。

「セイラは未婚の母だ。亭主はいない。あんた、アンを見て何にも思わなかったのか?」

確かにアンは母親似。けれども鮮やかな赤い髪は父親から受け継いだもの。

「アンはもうすぐで8歳だ。逆算したらすぐわかるだろう」

「は?逆算??」
酒のせいか元からか、ひとつも頭が回らない。

「8年前、あんたいくつだ?」
「ハタチだな!ちょうど海外に出た歳だ。
……ん?」

(そんなまさか、あり得ない。それなら何で別れるなんて……)


「あの二人に会ったのは3ヶ月ぐらい前だ。驚いたよ、大人にさえ一歩も引かない態度があんたと重なった」

3ヶ月前にたまたま入った小料理屋がセイラの店で、以来ベックマンは二人を見守るように時々店を訪れていた。ある日難癖つけて食事代を払おうとしないチンピラ風の客にも端然として「お金を払ってください」というアンに、セイラの方がヒヤヒヤしていた。

結局弁護士バッチと腕力にものを言わせたベックマンが善処したのだが、いざというときの目や気配が父親そっくりだと思う。


「じゃあ、アンはおれの…?急にそんなこと言われても……、おえぇぇ……」

吐き気に逆らえずにえずきながらしゃがみ込む。
こんな情けない人間が一体どうすればいいのだろう。



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