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【黒子のバスケ】冷たくて優しい

第1章 冷たくて優しい


大輝くんとお別れしてから1週間ー

数日間は家に来たり、メールや電話が何度も鳴っていたが私に対応する気がないと分かったからか自然と収まった

この1週間、私は同じ図書委員の桜井くんにお願いして大輝くんと顔を合わさないよう奥の書庫で作業させてもらっていた

ふと、今朝バスケ部の面々に言われた事を思い出す
ー青峰さん多分別れてると思ってないですよー
ー青峰のこと何とかしてやってくれへん?ー
ーボーッとしてマジ使いもんになんねーよー

「私のせい?…そんな都合の良い話あるわけないよね」
書庫整理をしながら…そうポツリと呟いたときだった

「…さん」
「潮見先輩!どうしてココに?」
「君のクラスの子にココだと聞いたんだ。最近、部活を休んでいたから」

桜井くんだ…大輝くんには黙っていてもらうようお願いしたけど
「…あ、すみません…」
「怒ってるわけじゃないんだ…コンクールのテーマを決定してなかっただろ?」
「あ!はい…でも…」
「描けない?…今の気持ちで彼の事は…」
「な…んで…」
大輝くんをモデルに描こうと思っていた私は

的を射た言葉にハッとして先輩を見ると

眉毛を八の字にして困ったような顔で私を見る先輩と目が合う

私の傍まで来た先輩は流れるような動作で
「…え?」
抱きしめられていると気づいたのは埃っぽい書庫の匂いに混じってフワッと香るスパイスのような香りと微かな息遣い
「…僕じゃ支えになれない?…君が好きなんだ」
先輩の声を近くに感じたときだった
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