【ヒロアカ 】変態に好かれても良いことなんてない!【轟焦凍】
第4章 思ってたより良い人?
自室についた私は鞄をベットの脇に放って自分はベッドにダイブした。
『あ"〜疲れたーー!なんで家にあいついんのよ!ふざけんなよ』
愚痴を言ったあと鞄から携帯を取り出す。
その時に私は気づいた。
『ん…裏口の鍵がない!?今日は空いてたから使わなかったんだ…でも鍵一体どこに…てか、あ!鞄の底が!!』
なんと、私の鞄の底がだいぶほつれていて鍵が通るには充分な空間ができていた。
だが、劣化による穴の空き方で刃物で切られた形跡はない
『あぁあ…どうしよう!鍵無くしたし鞄もお気に入りだったのにっ!』
コンコン…ノック音が聞こえて私はどうぞと声を掛ける
ガチャと入ってきたのはどうせお母さんだろうと思って気にしないでいたら…
「雪乃…さっきはすまなかった」
『と、轟社長!?あんたどうして!…てか出てってくださいよ!!』
ベッドから起き上がって轟社長を部屋から追い出そうとした時
スッと私の裏口の鍵を差し出した。
『あ…これ』
「今朝駐輪場に落ちてた。雪乃のだろ?」
『はい…ありがとうございます。』
「それと雪乃の鞄だいぶ劣化してたから同じメーカーの同じものを新品で買っておいた。今後はこれ使ってくれ」
『あの、もしかして今日これを届けにわざわざうちまで?』
「あぁ、今朝は雪乃が忙しそうにしてたし俺もパトロール行かなきゃ行けなかったから届けられなくてすまなかった。
雪乃の家の前通りかかって鍵と鞄どうしようか迷ってたらお母さんに声かけられて今に至るわけなんだが…声かけてもらえたのが嬉しくてつい婚約者って言って見栄張っちまった」
あぁ、なんか…ここまでこの人を警戒してた自分が馬鹿みたいだな…
『あは、あはは…あはははははは』
私は自分が馬鹿らしくなって笑いが止まらなかった。
「雪乃?」
『轟社長、さっきはひどい事言ってごめんなさい。鍵ありがとうございます。鞄もわざわざ新しいの買ってくれてありがとうございます。大切に使わせていただきます。』
そういうと轟社長は一気にボロボロ涙をこぼした。
『ちょ…!どうしたんですか!?』
「す、すまねぇ…その、あまりにも嬉しくて…雪乃が俺に向けてくれた笑顔も、優しい言葉も全部が嬉しくて…」