【ヒロアカ 】変態に好かれても良いことなんてない!【轟焦凍】
第4章 思ってたより良い人?
『はい』
「雪乃…昼に電話くれたよな?あの時は仕事中で出れなくて悪かったな。用件は何だったんだ?あ、用件なんかなくても俺はいつでも雪乃の声を聞きた」
『村上さんが勝手にかけたイタズラ電話です。気にしないでください、それでは』
「ま、待ってくれ…今週末空いてるか?」
『今週末?』
「雪乃が好きな漫画が実写映画化したやつが今週末公開されるって知ったから一緒に観に行きたいんだ」
『すみません、それならもう先約がありますので』
「そうか…誰と行くんだ?」
『誰と行こうと轟社長には関係ないじゃないですか』
「関係なくねぇ雪乃俺がお前に告白したってこと…忘れてねぇよな?」
はい、綺麗さっぱり忘れてましたぁぁぁぁ!!
『……』
「その沈黙、忘れてたのか?」
『ギクッ…』
「まぁ良い、これからどんな手を使っても俺の事意識させていってやるから覚悟しとけ」
『はぁ!?それってどういう…』
プッ…ツーツーツー……
『切れたし…』
携帯を枕元に置いて仰向けに寝転がる
『そうだ、私あの人に告白されてたんだったな。なんかあの告白より他の行動がインパクト強すぎて…』
左手の人差し指に巻かれた絆創膏を見て轟社長を思い出す
『あの人の手…あったかかったな』
本当は私が思ってるほど悪い人ではないのかも知れない?
それにあれでも社長だから私の夢である玉の輿を叶えるには彼は優良物件…?
『ないないない!絶対ない!!あれは変態よ!?私眠気で気が狂ったの!?…ダメだ、ダメだ。仕事初日で家業も手伝って…働きすぎで疲れてるんだわ。もう寝よう。』
部屋の電気を消そうとしたところで窓にコツン、コツンと何かが当たる音がした。
私は音のする方へ行ってカーテンを開ける。
すると窓の下に轟社長がいた。
コツンコツンという音は轟社長が窓に小石を投げていた音だ。
『轟社長?』
「雪乃…」
『何しに来たんですか?そろそろ寝ようと思ってるんで帰ってもらえます?』
「どうしても気になってな…」
『何を?』
「誰と映画に行くんだ?」
『それくらいさっきの電話切らないでそのまま聞けばよかったのに』
「他の人からキャッチ入ってたから切らざるを得なかったんだ、許してくれ雪乃」