【ヒロアカ 】変態に好かれても良いことなんてない!【轟焦凍】
第3章 ショート事務所初出勤!
《トゥルルル…トゥルルルル…》
コールが部屋の中に響くが一向に出ない。
「出ぇへんなぁ」
「きっと忙しいんだよ、さぁ村上さん柚川さんに携帯返してあげよう」
「んー、つまらん結果やな」
はい、と言って携帯を返された。
『出なくてよかったです。仮に出ても話すことないし』
「テキトーに話せばええやん!映画行きませんかー?とか!」
『そもそもそういう間柄ではありませんから!』
「あ、映画と言えば《変態に狙われてます》って作品知ってる?』
「知っとるよー」
『知ってます!あれ面白いですよね〜電子書籍で2万も課金しましたよ〜』
「柚川さん結構課金したね」
『無料で留めとこうと思って読んでたけど、面白すぎてついつい…』
「分かるわ〜うちもや!
昨日《変態に狙われてます》に3000円課金したわ〜…ところでその作品、爆心地とウラビティ主演で実写映画やるっちゃうのは知っとるよな?」
「『もちろん!今週末からだよね?/ですよね?』」
「せや、うち特典のクリアファイル目当てで3枚ムビチケ買ったんやけど…3人で一緒に行かへんか?」
『え!?良いんですか!?』
「良いの?村上さん」
「かまへんかまへん!特典のクリアファイルは渡さへんけどな」
やった〜!と山田さんと2人で喜ぶ
「じゃ、今週金曜仕事終わりにろろぽーと折寺の西方シネマズ行くで!16:45からの回なら見れるしそれ見よな〜」
「わぁ〜楽しみだね!」
『はい!』
3人で好きな漫画について話しながら帰った。
フレンドリーな先輩に囲まれて、なんで恵まれた職場なんだろう…
あの変態社長がいなければもっとハッピーなんだろうけど
その日家に帰って家業を手伝って夜の24時にようやく部屋で寛げるようになった。
『はぁ〜疲れた〜〜』
ボブっとベッドに体を預ける。
そのまままぶたが閉じかけた頃…
ヴーヴーヴー…
携帯のバイブ音がけたたましく鳴り響く。
そういえば携帯あれからずっと鞄に入れっぱなしだったなと思いつつも鞄から携帯を取り出すと轟社長から100件の着信が来ていた
『ゲッ…』
顔をしかめ、携帯を意識的に無視したが
ヴーヴーヴー…
無視すればするほど気になる…
『これ放置しとくと一生鳴り続けるやつじゃん…』
意を決して私は電話に出た